マーケティング・コンセプトの歴史

「生産志向」の時代

高度経済成長時代のように、需要に対して供給が不足している市場が未成熟な段階では、生産力そのものが価値であり、生産性の向上がマーケティング上の競争優位でした。いわゆる「生産志向」の時代であり、米国ではT型フォードが登場、日本では、1960年代の「3C(クーラー・カラーテレビ・カー)」時代がこの時期に当てはまります。

「製品志向」の時代

ある程度、供給が需要に追いついてくる段階に入ると、顧客は製品同士の比較を始め、その結果、高性能な商品、高機能な商品を開発することが競争優位となりました。「良い商品を作れば売れる」という考え方がこれにあたり「製品志向」とよばれます。

「販売志向」の時代

やがて供給が需要を上回ると、企業は過剰在庫を抱えるようにり、この段階では、いかに販売するかがマーケティング上の重要な課題となりました。実際には顧客のニーズやウォンツを無視してでも、強烈に売り込む企業が競争優位に立つことになり「販売志向」とよばれています。ここまでを、言い換えれば典型的なプロダクトアウトの時代と言えます。

「顧客志向」の時代

その後、企業の身勝手な考え方ではモノが売れなくなったため、顧客視点にシフトすることになりました。今の時代から見ればこの転換は当然ですが、裏を返せば「作れば売れる」という幸せな時代があったということなのです。「販売志向」は言ってみれば、需要のないところに売り込むわけですからいずれ限界がやってきます。そこで顧客のニーズやウォンツを調査し、顧客が求める商品(いわゆる消費者ニーズを満たした商品)を生産・販売するという考え方がうまれたのです。米国では、1950年代以降がこれにあたり、日本でも1980年代からマーケティングという概念が本格的に導入され始めました。一般にマーケティングと理解されているのはこの「マーケティング志向」、「顧客志向」のことで、いわゆる「マーケットイン」の考え方なのです。

「ソーシャル・マーケティング志向」の時代

消費者が物質的にある程度満たされると、消費が停滞します。また環境問題など社会問題が騒がれることによって消費そのものに罪悪感も生まれてきました。そうした時代には、顧客の満足だけでなく、社会全体の利益や福祉の向上を考えて、長期的な視点に立ってマーケティングを行うことが評価されることになります。実際、日用品などの分野において「たいして値段が変わらないなら多少高くても環境に配慮した商品を買おう」という消費行動が多くみられるようになったのです。今は企業と顧客の関係だけでなく、社会全体の視点が注目され、「ソーシャル・マーケティング志向」の時代となりました。細かくは以上のように整理されますが、この「ソーシャル・マーケティング」も、つまりは社会的視点にたった消費者の志向であり、消費者のニーズを理解することが必要とされているのです。

まとめ

マーケティングの歴史について触れてみました。

生産志向→製品志向→販売志向→顧客志向→ソーシャルマーケティング志向の流れは覚えておきましょう。単純にいうと、モノの豊かさを求める購買行動からココロの豊かさを求める購買行動に変わってきているということではないでしょうか?自身に品格を求めるようになった結果、社会貢献に繋がる商品を買ってしまうのでしょう。

普段、考えることはありませんが、志向や思考や嗜好の変化は消費分析には欠かせません。缶入り緑茶がでた時は、「お茶は急須で入れて飲むもの!売れるわけないじゃん」と言っていたのに、今や「水」にお金を出す時代です。こういう変化に対応する力のある企業が、強い企業なんだろうと思います。

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